新型コロナウイルスは男性を種無し不妊にしてしまう説の信ぴょう性

新型コロナウイルスに感染した男性が不妊化するリスクをタイの医学ニュースサイトが記事にしたため、「新型コロナ感染→種無し不妊」という情報が拡散しています。この情報の正確性について、論文執筆者の素性やTwitterでの識者の意見を調べ、まとめています。

新型コロナウイルスが重篤な肺炎を引き起こしている問題で、感染後に男性が不妊になる可能性がある疑惑が海外のニュースサイトで主張され始めました。

情報の出元は「Thailand Medical News」という海外の医学ニュースサイトで、記事タイトルを直訳すると、「速報ニュース!中国の科学者が発表した最新の研究によると、コロナウイルスはほとんどの男性患者を不妊症にする」となります。

この記事では新型コロナウイルスと男性の不妊リスクの関係と、この情報に対する識者の意見を調べまとめています。

海外発「新型コロナウイルスで種無しになる説」の記事詳細

「Thailand Medical News」では、新型コロナウイルスが男性を種無し不妊にしてしまう説についてどうのように報じているか、重要な部分を引用してみます。

The study results showed that the new coronavirus expressed potent pathogenicity to both renal and testicular tissues with resultant lesions.

The damaged testicular tissues could lead to infertility in most of the male patients.

(訳)研究結果は、新しいコロナウイルスが腎組織と精巣組織の両方に強力な病原性を発現し、病変が生じたことを示した。
損傷した精巣組織は、ほとんどの男性患者に不妊症を引き起こす可能性があります。

新型コロナウイルスによる肺炎が完治したとしても、精巣組織が損傷し不妊に至る可能性があると指摘しています。

詳細な研究はこちらに論文としてアップされています(英語)。
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.02.12.20022418v1

この研究論文を提出したのはJianqing Wang(王建青)という人物で、南京医科大学の蘇州病院に所属する泌尿器科の医師です。

ネット上を検索してもこれまで医学界で活動してきた足跡があります。

しかし、「Thailand Medical News」は論文の内容を飛躍して解釈している可能性があり、みだりに危険を煽っている部分もあります。Twitterでも「新型コロナウイルスに感染→不妊」という単純な図式を当てはめるのは間違いであるとの指摘が出ています。

識者、医学に見識のあるTwitterアカウントがこのニュースをどう伝えているかを次項で引用していきます。


新型コロナ感染→不妊に関するTwitterでの識者の反応

この記事を拡散したTwitterアカウントに対して、医学部の大学院生や医学的知見を持ったアカウントが反応し、フェイクニュースの部分を指摘したり、学問的な正確性を指摘するやりとりになっています。

データの取得に失敗しました。ツイートIDまたはAPI接続用アカウント情報を再度確認して下さい。データの取得に失敗しました。ツイートIDまたはAPI接続用アカウント情報を再度確認して下さい。データの取得に失敗しました。ツイートIDまたはAPI接続用アカウント情報を再度確認して下さい。データの取得に失敗しました。ツイートIDまたはAPI接続用アカウント情報を再度確認して下さい。データの取得に失敗しました。ツイートIDまたはAPI接続用アカウント情報を再度確認して下さい。データの取得に失敗しました。ツイートIDまたはAPI接続用アカウント情報を再度確認して下さい。データの取得に失敗しました。ツイートIDまたはAPI接続用アカウント情報を再度確認して下さい。データの取得に失敗しました。ツイートIDまたはAPI接続用アカウント情報を再度確認して下さい。データの取得に失敗しました。ツイートIDまたはAPI接続用アカウント情報を再度確認して下さい。データの取得に失敗しました。ツイートIDまたはAPI接続用アカウント情報を再度確認して下さい。データの取得に失敗しました。ツイートIDまたはAPI接続用アカウント情報を再度確認して下さい。データの取得に失敗しました。ツイートIDまたはAPI接続用アカウント情報を再度確認して下さい。データの取得に失敗しました。ツイートIDまたはAPI接続用アカウント情報を再度確認して下さい。データの取得に失敗しました。ツイートIDまたはAPI接続用アカウント情報を再度確認して下さい。データの取得に失敗しました。ツイートIDまたはAPI接続用アカウント情報を再度確認して下さい。

これらのやりとりから、現状では不妊の事実はまだ認められておらず、新型コロナに感染→不妊という図式は当てはまらないものの、今後の研究次第では新型コロナウイルスと男性不妊の関連性が判明する可能性もある…といった感じであることがわかります。

また、論文内ではアビガン錠による治療を前提としているため、男性の不妊リスクが増大するという図式であることもわかります。

このアビガン錠は新型コロナウイルスに効果があるとする指摘がある一方、精巣に入っていく薬であるため、不妊リスクや奇形リスクが増大するとの指摘もあります。


アビガン錠とは?

アビガン錠とはどのような薬なのか? 医学情報をWikipediaからいくつか引用してみます。

ファビピラビル (Favipiravir) は、富山大学医学部教授の白木公康と富士フイルムホールディングス傘下の富山化学工業(現:富士フイルム富山化学)が共同研究で開発したRNA依存性RNAポリメラーゼ阻害剤[1]である。開発コードのT-705、あるいは商品名であるアビガン錠 (Avigan Tablet) の名前でも呼ばれる

2014年3月に富山化学工業が日本国内での製造販売承認を取得した[1]。ただしすぐに製造・販売が開始されるわけではなく、新型インフルエンザが流行し他の薬が効かないと国が判断した場合に、厚生労働大臣の要請を受けて製造を開始するという特殊な承認となっている

富山化学工業は当初、アビガンがタミフルに代わる新しいインフルエンザ薬として普及し会社の収益源となることを期待していたが、動物実験で胎児に対する催奇形性の可能性が指摘されため、厚労省による製造販売承認は大幅に遅れたうえに緊急の場合のみ製造可能という条件がついてしまい、経営に貢献するという期待は外れる結果になった

催奇形性の危険があるにもかかわらず承認されたのは、ウイルスを細胞内に閉じ込めて増殖を防ぐ既存のインフルエンザ薬と、ウイルスの遺伝子複製を阻害して増殖を防ぐアビガンの作用メカニズムが異なり、既存薬に耐性を持ったウイルスが蔓延した場合でも効果を発揮できるとの期待からだった

Wikipediaではアビガン錠が不妊を引き起こすという言及はありませんが、動物実験で奇形リスクが確認されたため、厚労省の承認がおりず、インフルエンザ特効薬としてタミフルに代わって普及はしなかった経緯が書かれています。

簡単に言うと強い副作用が確認されたため、よっぽどの場合でないと厚労省が承認しないよ…ということです。

新型コロナに感染→不妊リスクの記事の根拠となった論文はこのアビガン錠による治療を前提としたため、精巣組織が破壊される可能性を指摘したわけです。

つまり、現状ではまだ「新型コロナに感染→種無し不妊」とは断定できないが、完全に否定しきれるわけでもなく、感染せずに済むに越したことはないということですね。当たり前の結論ですが、洗浄や不要の外出を控えることで予防につとめましょう。


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